減塩の仕方|”食べる味噌汁” のすすめ|味噌汁を管理栄養士が徹底解剖

栄養情報

食事にはつき物の味噌汁。

特に冬場はだしの味と味噌の味が体中にしみわたり、毎日でも食べたくなりますね。

え?味噌汁って食べるものなの?飲み物じゃないの?

管理栄養士として、食べる味噌汁(具だくさん味噌汁)をおすすめしたいと思います。

【この記事を書いた人】

tanu(たぬ)

現役の管理栄養士。30年以上現場の栄養士として働き、知り得た情報や知識を分かりやすく発信するサイトの管理人。

社員食堂(総食数3000食/日)、総合病院、仕出し弁当、スーパー総菜、障がい者通所施設、セントラルキッチン等経験し、2008年より特別養護老人ホームで就労中。

管理栄養士名簿登録年月;平成8年11月(管理栄養士名簿登録番号 7****号)

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味噌汁を徹底解剖

さて、皆さんがいつも召し上がっている味噌汁は A と B 、どちらに近い味噌汁ですか?

栄養価にどれくらい差が出てくるか、算出してみましょう。

  

まずは A から。

具と汁と別々にしてみましょう。

汁 … 150㏄

具 … 60g

になりました。

汁物が美味しく感じる塩分濃度は一般的に0.9%と言われていますので、単純計算で

150㏄×0.9%=1.35 → 塩分は1.35g となります。

  

次に B を汁と具に分けてみましょう。

汁 … 100㏄

具 … 120g

でした。

塩分濃度0.9%で計算すると

100㏄×0.9%=0.9 → 塩分は0.9g となります。

摂取塩分の差は0.45g となります。

  

『日本人の食事摂取基準(2020年版)』では、同2015年版と比較し、

食塩の摂取目標量が

男性:8.0g→7.5g

女性:7.0g→6.5g

に改定になりました。

塩分摂取量の目標値を定めている理由として、若い年代からの生活習慣病(高血圧・慢性腎臓病)の発症予防を推進するためです。

日本人はだしをひくことで、塩分が少なくても美味しく食べられる技を昔から用いていました。しかし現代社会の各家庭において、その行為が日々行えていない事実もあります。

そこでおすすめなのが、今お話ししている

食べる味噌汁(具だくさん味噌汁)

です。

食べる味噌汁は減塩の効果以外にも、具の栄養も摂取できます。

野菜や海草類には食物繊維やビタミン、豆腐や油揚げなどの大豆製品には植物性のタンパク質が含まれ、不足の栄養を補えます。

食物繊維を多く摂取することで、腸内細菌の善玉菌を増やし、便通改善や免疫力の向上につながります。

野菜の1日の摂取目標量は、淡色野菜が230g、緑黄色野菜が120g、合計350gとなっています。

野菜は不足しがちな食品群です。

食べる味噌汁を取り入れることで不足量を補っていきましょう。

それ以外になにかいい事あるの?

野菜を多く食べることは『たくさん噛むこと』につながります。

たくさん噛むことの効果として

・脳の老化を防ぐ

・過食を予防できる

・虫歯や口臭の予防ができる

ことがあげられます。

  

たくさん噛む行為は脳や体に刺激を与え、脳の老化を防ぎ、記憶力を高める、という報告もあります。更に、よく噛みゆっくり食べることで、食べすぎない効果もあります。また、よく噛むことで唾液の分泌量が増え、口臭予防、虫歯予防の効果も期待できます。

   

栄養はサプリメントで補っているわ。

めんどくさい。

そう思われる方ももしかしたらいるかもしれません。

現代社会では、機能性食品が巷に溢れ、サプリメントも安価で手に入り、毎日の生活に取り入れやすい世の中です。

しかし、それと同時に『過剰摂取による健康被害』が出ているのも事実です。

なるべく自然な形で栄養摂取をし、健康を維持していきたいものです。

 

栄養指導でもおすすめしている理由

今現在は、特養で働いているtanuですが、以前は総合病院に勤務していた経験や、クリニックで栄養指導の仕事もした経験もあります。

そこでの仕事はお察しの通り『栄養指導』です。

仕事の種別は栄養指導となりますが、私個人としては『栄養相談』という形がしっくりいきます。

お話をする相手の生活習慣を聞き取り、その中で少しでも役立つ情報を毎回1つか2つずつ提案してくように心がけていました。

『指導』というと少し押し付けた、押し付けられたイメージが強くなりますね。

栄養指導という名の『プレゼン』をしていました。

その中で、一番反応が良かったのは『食べる味噌汁』でした。

自分の生活をほんの少しだけ変えるだけなので取り入れやすいですよね。

「箸が立つくらいの味噌汁にしましょう」、これは何度も使ったワードです。

まとめ

①味噌汁は、具だくさん(箸が立つくらい)にしましょう。

②理由は2つ。

→1つめ…汁気が少なくなり、減塩につながる。(減塩になることで生活習慣病の発症を予防できる)

→2つめ…具材の栄養を摂取できる。豆腐類にはタンパク質が、野菜・海草類には食物繊維やビタミン類が含まれる。(野菜は日ごろ不足しがちな食品群であり、食物繊維により善玉菌を増やすことにつながる。また、噛む回数が増えることで脳や身体に刺激を与える、食べすぎを予防できる、口臭や虫歯の予防につながる、などの二次的な効果もある)

 

いかがだったでしょうか?

野菜や海草類、大豆製品等を食べる味噌汁で補いつつ、健康の維持増進につながることをお伝えしました。

この記事が少しでも皆様のお役に立てたら幸いに思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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