『カルシウム』と聞くとどんな人でも『骨や歯を作るもの』と答えられます。
しかし、実はそれ以外にも重要な役割があります。
・脳や神経の興奮を抑える
・筋肉の動きを滑らかにする
・出血を予防する
などがあります。
骨なのに??そう思われますよね。
若いから大丈夫!
閉経なんてずっと先だし大丈夫!
そう思っていては危険です
わかりやすく解説しましょう。
【この記事を書いた人】
tanu(たぬ)
現役の管理栄養士。30年以上現場の栄養士として働き、知り得た情報や知識を分かりやすく発信するサイトの管理人。
社員食堂(総食数3000食/日)、総合病院、仕出し弁当、スーパー総菜、障がい者通所施設、セントラルキッチン等経験し、2008年より特別養護老人ホームで就労中。
管理栄養士名簿登録年月;平成8年11月(管理栄養士名簿登録番号 7****号)
カルシウム不足?簡単セルフチェック
簡単セルフチェック
A | B | ||
① | 牛乳を1日コップ1杯 | ほとんど飲まない | 必ず飲む |
② | ヨーグルトやチーズなどの乳製品を | あまり食べない | よく食べる |
③ | 大豆製品(納豆や豆腐など)を | あまり食べない | よく食べる |
④ | 小エビやシシャモなどの小魚を | あまり食べない | よく食べる |
⑤ | 緑黄色野菜を | あまり食べない | よく食べる |
⑥ | わかめなどの海草類を | あまり食べない | よく食べる |
⑦ | 日ごろから運動を | あまりしない | よくする |
⑧ | 日光に当たることが | あまりない | ある |
⑨ | まぶたがぴくぴくしたり足がよくつる | はい | いいえ |
⑩ | イライラする・気持ちの浮き沈みが激しい | はい | いいえ |
⑪ | ダイエットを | している | していない |
⑫ | 現在妊娠(又は授乳中)中である | はい | いいえ |
⑬ | 閉経を迎えた | はい | いいえ |
⑭ | 喫煙者である | はい | いいえ |
⑮ | 甘い物が好きだ | はい | いいえ |
⑯ | コーラやコーヒーを | よく飲む | あまり飲まない |
⑰ | インスタント食品を | 良く食べる | ほとんど食べない |
⑱ | 肉類が好きでよく食べる | はい | いいえ |
Aの項目が多ければ多いほどカルシウム不足の可能性が高くなります。
チェック表の解説
①~⑥→多く摂った方がいい物
⑦⑧→行ったほうがいい事
⑨⑩→症状が出ている可能性が疑われる?
⑪~⑬→女性特有のものでホルモンバランスが崩れるため
⑭~⑱カルシウムの吸収を抑制または体外に排泄してしまうもの
詳しくはこちらもお読みください
妊娠中や授乳中は、お母さんの身体を通して赤ちゃんに栄養を分けるので、最も栄養を必要とする時期です。
カルシウムを不足し続けるとどうなるの?
カルシウム摂取量が不足すると
・骨や歯が弱くなり骨折しやすくなる
・幼児では発育障害が起きる
・長期にわたるカルシウム摂取量不足は丈夫な骨を作りにくくしてしまう
・神経や筋肉の興奮が高まり、筋肉のけいれんやてんかんが起こる
・閉経した女性は骨粗しょう症になりやすくなる
などが起こります。
カルシウムはどれくらい摂ればいいの?必要量は?
カルシウムの平均摂取量ってどれくらい?必要量は?
令和元年度の 国民健康・栄養調査では、1日の摂取量は全年齢平均でで504.9㎎でした。
必要量は
成長期の子供は700~1000㎎
成人は600~800㎎
とされており、調査からも1日あたり100㎎以上不足している栄養素ですので、積極的に摂っていきたいものです。
大切な我が子を骨折から守るため、ご両親やご家族を骨粗しょう症から守るため、カルシウム摂取に興味を持ってみませんか?
カルシウムを上手に摂るには?
簡単セルフチェック表の解説で簡単に説明しましたが、インスタント食品やコーラ、肉類には『リン』が多く含まれカルシウムの吸収を阻害する作用があります。これらの食品をたくさん食べるのは控えましょう。
牛乳や乳製品は、吸収率が最も高い食品です。小魚や緑黄色野菜、豆類、海草類にもカルシウムは存在しますが、牛乳の吸収率と比較し低くなっています。
また、カルシウムが腸から吸収されるには、ビタミンDが必要になりますので、野菜を日常的に食べることや適度な日光浴、軽い運動もかかせません。
カルシウムを多く含む食品は?
1回量 | カルシウム量(㎎) | |
低脂肪乳 | コップ1杯(200㏄) | 270 |
普通牛乳 | コップ1杯(200㏄) | 227 |
干しエビ | 大さじ1/2杯(3g) | 213 |
厚揚げ | 1/3枚(60g) | 144 |
モロヘイヤ | 1食分(50g) | 130 |
木綿豆腐 | 1/2丁(150g) | 129 |
ヨーグルト | 1個(100g) | 120 |
小松菜 | 1食分(70g) | 119 |
納豆 | 1パック(50g) | 45 |
日ごろの食卓に取り入れやすく、カルシウム含有量が多い食品の一例です。
牛乳をそのまま飲むのは苦手という方は、クリームシチューにしたり、グラタン、クリームスパゲティ、ミルク煮など、料理に使用していきましょう。
厚揚げの生姜焼き、揚げ出し豆腐など、お豆腐がメインのおかずも簡単に作れます。材料費が抑えられるのも家計にうれしいですね。
『骨』はカルシウムの『貯蔵庫』
人は血液中のカルシウム濃度を一定にする仕組みが備わっています。必要量を食べ物から摂取していればいいのですが、摂取量が不足してしまうと骨を溶かしてまでも一定に保とうします。
逆に、必要量以上に摂取していると、余ったカルシウムは骨のなかに蓄えられます。
言い換えると、毎日必要量摂っていれば骨の健康は維持されるということです。
常に生まれ変わる骨を丈夫に保つために、穀物、たんぱく源、野菜を組み合わせたバランスの取れた食生活を送りましょう。
まとめ
カルシウム摂取の重要性についてまとめました。
・カルシウムは骨を作るだけでなく筋肉の収縮や脳の興奮を抑えるなど重要な役割がある
・血液中のカルシウム量が一定になる仕組みがあり、摂取量が不足すると骨を溶かして一定に保つ
・骨量のピークは20代でそれ以降は減少する。特に女性は閉経の頃骨量の減少が加速する
・カルシウムの吸収率を上げるためには、軽い運動、日光浴が欠かせない
・カルシウム吸収率が高いのは乳製品である。そのまま食べるのが苦手な場合は料理に取り入れる
・加工食品はカルシウムの吸収を阻害、排出するので、たくさん摂取しないよう気を付ける
これらの事を覚えておき、子供からお年寄りまで元気に生活して欲しいと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
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